テクニカルガイド
カラー設定を共通に
RGBカラーの画像をCMYKカラーに変換した際、同じ画像なのにアプリケーション間で色味が大きく変わってしまったという経験はありませんか? もしかするとカラー設定が統一されていないことが原因かもしれません。ここでは、Adobe Creative Suite を例に、オフセット印刷 を前提としたカラー設定をご紹介いたします。
カラー設定は「プリプレス用 - 日本2」
お客様が使用されるソフトウェアのカラー設定を「プリプレス用-日本2」にしましょう。
「プリプレス用-日本2」には、オフセット印刷用のプロファイルである「Japan Color 2001 Coated」が設定されています。
Japan Colorは、日本の枚葉のオフセット印刷色標準規格であり、また日本の印刷標準色のISO規格です。
Adobe Illustrator CS3 カラー設定
Adobe Photoshop CS3 カラー設定
Adobe InDesign CS3 カラー設定
マットコート紙の場合は、
CMYK作業スペースを「
Japan
Color 2001 Uncoated」に変更してください。 「Japan Color 2001 Coated」はコート紙をターゲットとしていますので、乾燥に時間がかかるマットコート紙などはインキの総容量が310%に抑えられた「Japan
Color 2001 Uncoated」が適しています。
「いつもはPhotoshopでRGBカラーの画像をCMYKカラーに変換し、Illustratorに配置していたが、今回に限ってIllustratorに直接RGBカラーの画像を埋め込みしたところ、出来上がった印刷物を見ると同じ画像なのに前回と色が変わっていた。」
これはカラー設定が異なるソフトウェア間で作業をしたことがトラブルの原因と考えられます。Photoshop、Illustrator、InDesignには、それぞれソフトウェア毎にカラー設定があります。
この設定が違うと、同じRGB画像でもソフトウェアによって異なった色に変換されてしまったり、画面上の見た目も変わってしまいます。 Illustrator
9 以降では、「CMYKモードのドキュメントにRGBカラーの画像を埋め込み」したときやEPS形式以外のRGB画像を配置し、「配置した画像を含む」のチェックを入れて保存すると「カラー設定」を参照してCMYK変換が行われます。
このように、様々なところでカラー設定が影響しますので、使用されるソフトウェアのカラー設定は、すべて同じ設定に統一しましょう。 なお、Adobe
Creative Suite では、ソフトウェア間のカラー設定を、一括で同期できるAdobe Bridgeというソフトが同梱されています。